太陽光発電はやめたほうがいい?後悔する人・得する人の違いを徹底解説
太陽光発電は本当にやめたほうがいいの?
結論は家庭ごとに得する条件が全く違うこと
ネットやSNSを開くと「太陽光発電はやめたほうがいい」「設置すると後悔する」というネガティブな意見が目につきます。これから家を建てる方や、業者から提案を受けている方にとっては、非常に不安になる言葉でしょう。
しかし、エネルギー系メディア編集部として中立な視点でお伝えすると、太陽光発電が「得になるか、損になるか」の結論は、家庭ごみによって全く異なります。一概に「全員がやめたほうがいい」わけでも、「全員が絶対に設置すべき」わけでもありません。それぞれのライフスタイルや家の条件によって、答えが変わるのが実態です。
やめたほうがいいと言われる理由は確かに存在する
「やめたほうがいい」と主張する人たちの意見には、決して嘘やデタラメばかりではなく、それなりの明確な根拠が存在します。例えば、初期費用の負担や、過去に比べて売電価格が下がっていることなど、客観的な事実に基づいたデメリットがあるのは確かです。
こうしたデメリットを無視して「絶対に得をする」と謳うような営業トークを鵜呑みにしてしまうと、設置後に後悔するリスクが高まります。まずは「なぜやめたほうがいいと言われているのか」の理由を冷静に受け止めることが大切です。
他人の失敗データが自宅に当てはまるとは限らない
一方で、ネットで見かける「元が取れなかった」「損をした」という他人の失敗談が、そのままあなたの家に当てはまるとは限りません。なぜなら、その失敗データは「10年以上前に高い費用で設置したケース」であったり、「日当たりの悪い屋根に無理に載せたケース」であったりするからです。
太陽光発電をめぐる環境は、数年前と現在でも大きく変化しています。他人の口コミや過去の情報だけで「我が家もやめたほうがいい」と一括りに判断してしまうのは、最適な選択肢を狭めてしまうことになりかねません。
太陽光発電をやめたほうがいいと言われる7つの理由
初期の設置費用が高くまとまった資金が必要だから
太陽光発電の導入にあたって、最大のハードルとなるのが初期費用です。近年は価格が下がってきたとはいえ、住宅用にシステムを導入するには、現在でも100万円〜200万円前後のまとまった資金が必要になります。
これだけの金額を現金で用意するか、あるいはソーラーローンを組んで金利を支払う必要があるため、家計への一時的な負担や心理的なプレッシャーが大きいことが「やめたほうがいい」と言われる大きな理由です。
国が定める売電価格が年々下がり続けているから
「太陽光発電は売電で儲かる」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、国が定める固定価格買取制度(FIT)の売電価格は、年々下がり続けています。
制度が始まった当初の2012年は1kWhあたり42円でしたが、現在ではその3分の1以下にまで下落しています。この「売電価格の下落」という事実だけを見て、「もう売電では稼げないから、太陽光発電に費用対効果はない」と判断する人が増えているのです。
投資した分の元が取れないという噂があるから
売電価格が下がったことと連動して、ネット上では「投資した分の元が取れない」「最終的に損をする」という噂が根強く囁かれています。
高い初期費用を支払ったにもかかわらず、毎月の売電収入が数百円〜数千円程度にとどまってしまうと、「これでは何年かかっても設置費用の元を回収できないのではないか」という不安に駆られ、結果として設置を後悔するという声に繋がっています。
定期的なメンテナンスで維持費用が発生するから
太陽光発電は「設置したら終わり」ではありません。長期間にわたって安全かつ効率的に発電を続けるためには、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
特に、発電した電気を家庭用に変換する「パワーコンディショナ(パワコン)」という機器は、約10〜15年で交換が必要となり、その際には十数万円の費用がかかります。また、数年に一度の定期点検費用も発生するため、こうした維持費の存在がデメリットとして挙げられます。
長年使い続けるとパネルの発電効率が劣化するから
太陽光パネルは非常に寿命が長い製品ですが、経年劣化によって発電効率は少しずつ低下していきます。一般的には、年間で0.5%〜1%程度ずつ発電量が落ちていくと言われています。
20年、30年と使い続けるうちに、設置当初よりも発電量が少なくなるため、将来的なシミュレーション通りに電気が作れなくなるのではないかという懸念が、導入を躊躇させる一因となっています。
セットで勧められる蓄電池の価格が高額だから
最近では、太陽光パネル単体ではなく、災害時の停電対策や夜間の電気代削減のために「蓄電池」をセットで勧められるケースが増えています。
しかし、蓄電池の価格は非常に高額で、100万円〜200万円以上の追加費用がかかることも珍しくありません。太陽光パネル単体であれば元が取れる計算であっても、高額な蓄電池をセットにすることで一気に回収年数が伸びてしまい、結果として「費用対効果が合わない」と判断されるケースが多いのです。
強引な勧誘や誇大広告を出す悪質な営業がいるから
太陽光発電の業界には、残念ながら現在でも一部の悪質な訪問販売業者や、強引な勧誘を行う営業担当者が存在します。
「今契約すれば電気代がタダになる」「売電収入で住宅ローンがチャラになる」といった、事実を誇張したセールストークで契約を迫る事例が後を絶ちません。こうした悪質な営業トラブルのニュースや口コミを見た人が、「太陽光発電の業界全体が怪しい」「関わらないほうがいい」という強い警戒心を抱くきっかけになっています。
実際に計算すると得になるケースも多い
毎月の電気料金が以前よりも大きく上昇している
ここまで「やめたほうがいい理由」を見てきましたが、実は現在のエネルギー情勢を踏まえて実際に計算してみると、得になるケースも数多く存在します。その最大の理由が、電気料金の高騰です。
近年、燃料費の調整や世界的なエネルギー不足の影響により、大手電力会社の電気料金は以前に比べて大きく上昇しています。電気代が高くなっているということは、裏を返せば「太陽光発電で電気を自給自足したときの節約効果(価値)」も、昔よりはるかに高くなっていることを意味します。
売電するより自家消費するメリットが大きくなった
昔の太陽光発電は「作った電気を高く売る(売電)」ことで利益を出していました。しかし現在は、電力会社から高い電気を買うのをやめて、「作った電気を自分の家で使う(自家消費)」スタイルが主流です。
売電価格が下がったとしても、それ以上に電気代が高騰しているため、電力会社から電気を買わずに済むメリットのほうが大きくなっています。つまり、「売電収入」ではなく「電気代の削減額」によって、十分に元が取れる構造へとシフトしているのです。
新築時であれば足場代などの設置コストを抑えられる
もしあなたがこれから家を建てる「新築」の段階であれば、既築の家に後から設置するよりもコストを大幅に抑えられます。
住宅の建築プロセスの中で一緒に太陽光パネルを設置すれば、住宅建築用の足場をそのまま共有できるため、太陽光のためだけに別途足場を組む費用(約10万〜20万円)がかかりません。また、ハウスメーカーの提携ルートなどで機器を安く仕入れられることもあり、費用対効果を高めやすいメリットがあります。
自治体の補助金を上手に利用できる地域もある
太陽光発電の普及を後押しするため、国だけでなく多くの都道府県や市区町村が、独自の補助金制度を設けています。
お住まいの地域によっては、太陽光パネルや蓄電池の設置に対して、数万〜数十万円単位の補助金が支給されるケースがあります。補助金を上手に活用することができれば、初期費用を大幅に抑えることができるため、投資回収の期間をグッと短縮することが可能です。
太陽光発電で損する人・得する人の違い
設置条件が悪く電気使用量も少ない損しやすい人
太陽光発電を導入して「損をしやすい人(向いていない人)」には、いくつかの明確な特徴があります。
まず、屋根の向きが「北向き」である場合、発電量が著しく落ちるためおすすめできません。また、日中に家を空けることが多く、世帯人数が少なくて「もともとの電気使用量が極端に少ない家庭」も、自家消費による節約メリットを十分に得られません。さらに、相場を大きく上回るような高額な見積もりで契約してしまうケースも損をします。事前に太陽光の相場を確認し、適正価格で購入しなければ、回収年数が伸びて損をすることになります。
オール電化や大家族など電気代が高い得しやすい人
一方で、太陽光発電を導入して「得をしやすい人(向いている人)」の特徴は、毎月の電気代が高い家庭です。
具体的には、エコキュートやIHクッキングヒーターを使用している「オール電化住宅」の家庭や、子どものいる「4人以上の多世帯」などが該当します。こうした家庭は、日中から夜間にかけて多くの電気を消費するため、太陽光で発電した電気をフルに活用でき、電気代の削減効果が非常に大きくなります。また、先述の通り「新築でこれから家を建てる人」も、設置コストを抑えられるため得をしやすいといえます。
太陽光発電はシミュレーションしないと判断できない理由
住んでいる地域や屋根の向きで発電量が違う
太陽光発電の収支を他人の意見だけで判断してはいけない最大の理由は、条件が1棟ごとにまったく異なるからです。
日本国内であっても、日照時間が長い地域と、雪が多く日照時間が短い地域では、年間発電量に大きな差が生まれます。また、同じ地域であっても、屋根の向き(南向き・東向き・西向き)や屋根の傾斜角度、周辺にある建物や樹木の影の影響によっても発電量は1軒1軒異なります。ネットの誰かが「発電しなかった」からといって、あなたの家も同じになるとは限りません。
毎月の電気使用量によって家計への効果が違う
現在の太陽光発電は「自家消費」が鍵を握っているため、あなたの家庭が「いつ、どれだけの電気を使っているか」というライフスタイルによって、経済効果が激変します。
共働きで昼間は完全に不在の家庭と、在宅ワークやペットのために24時間エアコンを稼働させている家庭では、太陽光の電気をどれだけ有効活用できるかの割合(自家消費率)が変わります。この使用量のパターンを無視して、ただ「パネルを載せるかどうか」だけを議論しても意味がありません。
全く同じ設備でも家庭ごとに収支が大きく変わる
仮に、隣り合う2つの家が全く同じハウスメーカーで建てられ、同じ容量の太陽光パネルを載せたとしても、その収支結果は同じになりません。
A家はオール電化で電気代が毎月3万円、B家はガス併用で電気代が毎月8000円だとすれば、太陽光による恩恵はA家のほうが圧倒的に大きくなります。このように、設備そのもののスペックが同じであっても、住む人の「暮らし方」によって元が取れるかどうかの結果は大きく左右されるのです。
営業担当が提示する試算だけでは不十分な理由
業者から提案を受けている場合、営業担当者が作成したシミュレーションシートを見せられるはずです。しかし、その試算だけで導入を決めてしまうのは不十分と言わざるを得ません。
なぜなら、業者のシミュレーションは「将来の電気料金が都合よく上がり続ける設定」になっていたり、「発電量を少し多めに見積もっていたり」と、契約を取りやすいように楽観的な前提で作られていることがあるからです。失敗を避けるためには、業者とは利害関係のない、中立な第三者の視点で作成された客観的なシミュレーションを行うことが不可欠です。
あなたの家は得する?無料シミュレーションで確認してみよう
客観的なシミュレーションで事前に把握できること
ネットの極端なオピニオンに惑わされず、我が家の現実的な数値を把握するためには、客観的なシミュレーションを行うのが一番の近道です。
中立なシミュレーションを行うことで、業者のセールストークに頼ることなく、以下の4つの要素を事前に正確に把握することができます。
- 発電量:あなたの家の地域や屋根の条件で、実際に年間どれくらい発電するのか
- 電気代削減額:現在の電気代に対して、毎月どれくらいの節約効果が見込めるのか
- 売電収入:使い切れずに余った電気が、いくらで売れて口座に振り込まれるのか
- 回収年数:設置費用(初期投資)を、何年で回収してプラスに転じさせることができるのか
まずは中立な無料シミュレーションサービスを使おう
「我が家の場合は本当に得になるのだろうか?」と少しでも気になったら、まずは特定の販売店に属さない、中立な無料シミュレーションサービスを利用してみることをおすすめします。
スマホからいくつかの簡単な条件(住んでいる地域や現在の電気代など)を入力するだけで、あなたの家に合わせたリアルな収支予測をその場で算出することができます。特定の業者から強引に営業される心配もないため、まずは「ネットの意見」ではなく「我が家のデータ」を確かめることから始めてみてください。
太陽光発電で後悔しないためのよくある質問
今から設置しても本当に元は取れるの?
結論から言うと、条件さえ合致すれば今から設置しても十分に元は取れます。昔に比べて売電価格は下がりましたが、それ以上に「パネル自体の価格が安くなったこと」と「毎月の電気代が高騰していること」の2つの要因があるため、現在でも約8年〜11年前後で初期費用を回収できるケースは多く存在します。
太陽光パネルと同時に蓄電池も導入すべき?
予算に余裕があり、停電時の備え(防災対策)を重視したいのであれば同時導入はおすすめです。しかし、経済的なメリット(元を取ること)だけを最優先するのであれば、まずは太陽光パネルだけを設置し、将来的に蓄電池の価格が下がってから追加導入するという選択肢のほうが、初期投資を抑えられて失敗が少なくなります。
将来さらに売電価格が下がっても大丈夫?
固定価格買取制度(FIT)が適用される最初の10年間は、契約した時点の売電価格が国によって保証されるため、期間中に価格が下がることはありません。また、10年が経過した後は売電価格がさらに下がりますが、その頃には初期費用の回収がほぼ終わっているため、作った電気をすべて自宅で消費する形に切り替えれば損をすることはありません。
一般的な住宅では何kWのパネルを載せればいい?
一般的な日本の戸建て住宅であれば、4kW〜5kW前後の容量を載せるケースが最も多く、費用対効果のバランスが良いとされています。ただし、屋根の面積や形状、家族構成によって最適な容量は異なります。たくさん載せれば良いというわけではないため、こちらもシミュレーションを通じて我が家に最適な容量を割り出すことが重要です。
まとめ
「太陽光発電はやめたほうがいい」というネットの意見には、確かに一理あります。初期費用の高さやメンテナンスの手間、一部の悪質な業者の存在など、無視できないデメリットがあるのは事実だからです。
しかし、その反対に「電気代の高騰によって、自家消費のメリットが劇的に高まっている」という最新のポジティブな事実も存在します。結局のところ、得をするか損をするかは、誰かの口コミではなく「あなたの家の条件」だけで決まります。
「ネットの意見がこうだから」と感覚だけで判断して後悔する前に、まずは中立な無料シミュレーションを使って、あなたのご家庭だけのリアルな数字をその目で確かめてみてはいかがでしょうか。